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ごあいさつ

塾長 松川 弘明
 いま物流業界はデジタル技術の発展により大きな変革期を迎えています。
政府は高度物流人材の育成と確保を国家的重要課題と位置づけ、「物流起点の価値創造を実現する人材の育成に向けて」(令和5年3月30日)において、特に次の3つの能力を備えた人材の育成の必要性を指摘しています。
1. デジタル化に対応し、データドリブンで思考する能力(デジタル技術やデータサイエンスの知識を物流分野へ適用する力)
2. サプライチェーンを全体最適化の視点からマネジメントする能力(物流、製造、販売等の関連業界を俯瞰的に捉え、サプライチェーン全体をマネジメントする力)
3. 社会変化に対応し、新技術導入や異分野連携を推進できる能力(社会の変化を把握し、物流に関する課題設定や解決策の企画・立案を適切に行う力)

 デジタル技術の進展により、産業全体の生産性が向上し、過酷な労働環境から人々が解放されつつあります。
こうした中、物流分野においては、サイバー空間とフィジカル空間が連携する「サイバーフィジカルシステム」が構築され、データに基づく意思決定が現実世界に反映される仕組みが加速しています。
世界がこの新たな方向へと進む中、国際競争に勝つためには日本独自のグランドデザインを策定し、その実現に向けた戦略を描く必要があります。
その鍵を握るのが、テクノロジーを活用し、物流改革を牽引する高度物流人材の存在です。

このような背景の下、慶應大学 新川崎先端研究教育連携スクエア 松川研究室では、2024年11月「高度物流人材育成塾」(育成塾)を設立し、次の3つの専門コースで構成される高度物流人材育成講座を開設することにしました。
1. デジタル化・データサイエンスコース
2. サプライチェーン・サイエンスコース
3. 物流先進技術コース

そのうち、デジタル化・データサイエンスコースは育成塾設立と同時に開講し、6か月という短い期間で理系文系関係なしに物流現場問題の最適化問題を文章でモデリングすることができ、それを数式に定式化し、さらにアプリやプログラムを駆使して問題解決できる人材を育成することができました。
このような成果を得ることができたのは、国土交通省と経済産業省の後援、および産業界の支援があったためであり、今後も産官学の連携を強化していく所存です。
そして、2025年度には、「サプライチェーン・サイエンスコース」、および「物流先進技術コース」を開講し、各コースの認定を行うと同時に、所定単位を取得し、且つ最終試験に合格した受講者には「高度物流人材認定書」を授与します。

我々は日本の物流の未来を担う高度物流人材の育成に力を入れてまいります。
今後もさらなる発展を目指して、産官学の連携のもとで有志を募り、資源を共有し、高い志を持って高度物流人材事業を全国に広げていく所存です。

高度物流人材育成塾 塾長
松川弘明
令和7年2月28日